先日、「在宅歯科医療の講習会」に行ってまいりました。
超高齢が進んでいく(人口の4人に1人が高齢者)現在、在宅で生活をしながらパートナーの他界など、少しずつ社会との接点が薄れていき、
・会話の減少
・個食による口腔機能の低下
・口腔乾燥
・口腔過敏
・不眠症による安定剤の服用
・不定愁訴
・摂食嚥下(えんげ)障害による肺炎の併発 など
一般病院にて、胃瘻(いろう)の処置に至ってしまうお年寄りが増加しています。
※「胃瘻」(いろう)…造られた「おなかの口」を「胃瘻」と言い、取り付けられた器具を
「胃瘻カテーテル」と言う。口から食事のとれない方や、食べてもむせて肺炎などを
起こしやすい方に施す、直接胃に入れる栄養投与の方法。
※「嚥下」(えんげ)…口の中の物を飲み下すこと。
歯科医師として、この現実にどのように携わっていくべきなのか。これまでは健康な人の口腔内ばかりを診てきた歯科医師がさまざまな社会の流れから、摂食嚥下障害に陥ってしまった人をできるだけ胃瘻にならないで自分の口から食べられるようにすること、できるならば摂食嚥下障害にまで至らないうちに健康な口腔機能を取り戻してあげる手助けをすることが、この超高齢社会での歯科医師としての大事な役割であることを改めて実感しました。
また、病院に入院された患者さまのそれぞれの段階〈①急性期(入院初期) ②回復期 ③維持期 ④ターミナル期(死亡)〉であっても、歯科医師はもちろんのこと、歯科衛生士は最後の最後まで「口から食べる」「口腔内の衛生状態を保つことで誤飲性肺炎などによる死を防止する」ために、とても重要な立場にいることを実感する1日でした。
7月には、嚥下機能評価研修会に参加して、内視鏡を使用した嚥下機能検査の研修を受ける予定です。
文責:ワタナベ